背景・目的
2017年7月の西日本豪雨がきっかけです。勤務校がある上島町の弓削島は、2週間程度断水状態に陥いりました。これは広島県三原市の浄水ポンプ場が被災し、海底パイプラインに水が供給できなくなったためです。この間、外部からの支援により飲用水は比較的困りませんでしたが、生活用水(風呂、トイレ、洗濯)の不足に非常に困りました。一方で、井戸を持ち、日ごろから使用している家庭は、さほど問題ではありませんでした。私たちは断水を経験して、水の大切さはもちろん、非常時に備えて、島内に非常に多くある井戸を使用できる状態にしておくことの必要性を感じました。
その後、井戸の所在の特定、水質の簡易調査を進めてきました。島内の防災協力井戸は20箇所ほどありますが、島には数えきれないほど多くの井戸が存在しています。海底パイプラインが敷設される1985年より前では、多くの家庭が所有し、使用していたようです。ただし、多くの井戸は現在使われておらず、放置された状態にあるようで飲用として使えない状態にあります。私たちは被災した経験をふまえて、万一の場合を想定して、井戸水を緊急時に使えるようにする取り組みが大切であると考えています。
この取り組みは、学校の教員(代表:牧山隆洋)、学生、愛媛大学の研究者の他、地元の住民の方々と協力して行っています。下の写真は、この取り組みに参加した弓削商船高等専門学校の学生(電子機械工学科 古賀悠大)の写真です。学生とともに、井戸の所在の特定、水質の簡易調査を進めています。
なお,この取り組みの一部はJSPS科研費19K03185の助成を受けています。
研究メンバー
弓削商船高等専門学校(教員):牧山隆洋(企画・統括)、伊藤武志、益崎智成
弓削商船高等専校(学生):古賀悠大、門口安左馬、小井川秀斗、三浦康、瀬野舞子、東谷京佳、瀬川悟
愛媛大学:松枝直人(LDHホイル開発)、エル二・ジョハン、タウフィク・イーサン
筑波大学:中神悠太(サイト構築)